京都府立医科大学 血液内科

研修・教育体制

Agenda

  1. 専攻医;2018年度以降に医師3年目を迎える方へ
  2. 専攻医;2017年度以前に医師3年目を迎えた方へ
  3. 大学院を目指す方へ
  4. 血液内科学教室 定例カンファレンス、勉強会などについて
  5. 外部施設での診療の経験・他分野の研修について

血液内科学教室では、カリキュラムにおける臨床の研鑚と研究の過程を通じ、確かな診療力、研究マインド・科学的思考力の養成と、下記のキャリアディベロップメントの両立を目指しています。そして、両者を名実ともに実力を備えた、次代の血液内科学と医療を担う血液内科医・血液内科学者を輩出し続けることが私たちの任務です。

本学血液内科学教室での研鑚において取得を目指す資格

  • 総合内科専門医
  • 血液内科専門医
  • 造血細胞移植認定医
  • がん薬物療法専門医
  • 医学博士 など

1. 専攻医;2018年度以降に医師3年目を迎える方へ

あなた方は、「内科新専門医制度研修プログラム」に沿った臨床研鑚が、将来の内科総合専門医、さらには将来の専門領域の専門医取得に必須となる対象者です。2018年度からの内科新専門医制度研修プログラムの開始に伴い、京都府立医科大学は基幹病院としての役割を担っています。本学附属病院では、各内科学教室が強固な連携をとり、あなた方が必修プログラムをしっかりと不足なく修了し、かつ、将来の専門領域の研鑚も積むことが出来るように工夫しています。

具体的には、基本骨格として、

  1. 内科6科(血液内科、呼吸器内科、循環器内科・腎臓内科、消化器内科、神経内科、内分泌糖尿病代謝内科・膠原病リウマチアレルギー科)を2か月ずつローテートし、内科新専門医制度研修プログラムを遂行する。ローテート科での診療に従事し、各科の専門的知識・技術の向上に努め、総合内科専門医と実力を養う。
  2. 同時併行で専門領域(当科入局者の場合は血液内科)の診療にも参画する。また、専門領域のカンファレンス、学会、研究会などに参加することで実力を養成することが出来る。内科各科は連携しており、カンファレンスの時間帯などは多くの場合、重複していないので、複数科のカンファレンスに横断的に参加可能である。
  3. 豊富な関連病院を各科が有することから、連携病院にも多くの選択肢がある。

こうして、京都府立医科大学血液内科学教室では、医師として極めて貴重な3~5年目を豊かなものとすべく、総合内科専門医としての幅広い教養のもと、血液専門領域での早期の社会貢献の両立が可能となるプログラムの構築を目指しています。

2. 専攻医;2017年度以前に医師3年目を迎えた方へ

大学病院では主に病棟業務を担当し、下記に挙げるような目標を達成できるよう研修を行います。血液疾患の患者に対する治療では、循環器、呼吸器や消化器など数多くの合併症がおこり得ます。そうした患者を上級医と共に主治医として担当することで血液疾患のみならず総合的な臨床能力を身につけます。また、各種専門医受験資格の前提となる総合内科専門医の取得も目標とします。

そのうえで、血液疾患をみる上で必須となる、骨髄像検査、病理組織検査、フローサイトメトリー検査や遺伝子検査などの各種診断法については、ただ見るだけではなく、研究室において実際に自身の手で実践することで理解を深めることが出来、その意義と結果解釈の仕方を学びます。治療においては多くの症例の主治医を経験することで、様々な血液疾患に対する理解を深め、化学療法、分子標的治療、自家移植、同種移植を含めた造血幹細胞移植のレジメンや合併症について理解し、独力で治療方針を決定し、治療計画を立て、実践できるようになること、感染症対策や全身管理など支持療法が適切にできるようになることを目標とします。

3. 大学院を目指す方へ

大学院では大学病院での病棟での診療業務を通じて臨床能力の向上に努めると同時に、様々なテーマの基礎・臨床研究に着手します。病棟業務では上級医の指導の下、大学病院ならではの最先端の医療(同種移植、新規薬剤の治験など)に自ら主体的に関わっていきます。基礎・臨床の研究テーマや基礎研究に専念する期間等についてはスタッフとじっくり相談し、主に2年目以降に本格的な研究に着手していきます。 各人の希望する研究内容に応じて、学内・学外問わず他施設でも研修・研究を行っております。研修内容については各人の希望に応じて調整いたします。したがって全ての方が同じ進路をたどる訳ではありません。

研究内容については別途、「研究」の項を参照ください。ここに記される研究は、いずれも指導医のもと、教室の大学院生らが取り組んできたものばかりです。

4. 血液内科学教室 定例カンファレンス、勉強会などについて

教室では下記を運営中です。興味のある方は、随時、見学を受け付けております。

  1. 症例検討会(毎週火曜日 15:30-当日の課題終了まで カンファレンスルームなど)

    新規入院患者の症例報告を行い、指導医やスタッフと診断・治療方針について協議します。全入院症例についても経過報告を行い、担当・非担当にかかわらず入院患者の病態変化や治療経過を把握していきます。
  2. 病棟回診(毎週火曜日 14:00-終了まで)

    教授(診療部長)をはじめスタッフと共に病棟を回診し、臨床像や病態の理解につとめます。主治医は回診までに、直前1週間の経過を要約します(weekly summary)。診療部長は、客観的立場から課題や疑問点についての指摘・点検を行います。
  3. 骨髄像レクチャー(毎腫木曜日 17:00-課題終了まで 血液内科学研究室)

    研修医や若手血液内科医を対象に代表的な骨髄鏡検像の解説を行っております。
  4. 研究カンファレンス(隔週火曜日 18:00-課題終了まで 血液内科学研究室)

    抄読会と交互に隔週で実施中です。毎回、担当者2名が自身の研究プロジェクトの背景と目的、結果・進捗状況を報告し、問題点や課題、方向性を教室全体で検討します。研究担当者は、様々な助言や指導を受けるとともに、教室内で経過が共有されることで、互いの協力、情報交換が円滑になります。研究初心者は、これを通じて多くを学ぶことが出来ます。学会発表前の予演なども行います。
  5. 抄読会(隔週火曜日 18:00-課題終了まで 血液内科学研究室)

    研究カンファレンスと交互に隔週で実施中です。毎回、担当者一名が血液疾患に関わる重要な臨床研究についての論文を解説し、最新の知識の共有を推進するのみならず、それぞれの研究の問題点や結果の解釈などについて吟味し、論文読解力の向上を目指しています。
  6. 緩和カンファレンス(不定期)

    難治性疾患や移植患者を中心に、緩和ケア科や薬剤部、栄養部、リハビリテーション部等と連携し患者にとって最適な治療を提供するための合同カンファレンスを症例毎に開催しております。

4. 各種勉強会・学会

京都では血液疾患に対する勉強会が毎週のように盛んに開催され、各分野の専門家の講演に接することが出来ます。同時に研修医・専攻医・大学院生には積極的に参加・発表していただき、プレゼンテーション能力の向上、疾患に対するより深い理解につとめます。

5. 外部施設での診療の経験・他分野の研修について

専攻医、大学院生共に、週1~2回は、教室関連組織に出向し、それぞれの施設での診療に参画します。血液内科外来、救急、一般内科外来、慢性期病棟での診療、健診、訪問診療など、その職務は様々です。これを通じ、医療に対する様々な社会的需要を理解し、それぞれの領域で必要な診療力を身に着けることは、専門性の高度細分化時代にあっても医師として大切なことです。また、悪性疾患の診療にあたるうえでは緩和医療に対する理解も重要です。教室員は緩和ケア研修をすべからく修了し、診療における必要に対応できるよう研鑚を積むことを求めています。

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